面倒な遺産相続手続きを国家資格者が完全代行!

遺産の実態

行政書士が頼りになる
ご自身のお父様、お母様のことを想像してください。預金通帳にいくらあるか知っていますか? 同居中の親子でも、親の財産をすべて知っている子どもは少ないのではないでしょうか。まして別居してればなおさら知らないと思います。(1)遺言の有無の確認、(2)相続人の調査の次は、残された財産を調査しましょう。

簡単に「財産の調査」とはいっても、具体的にどうしていいか分からない人もいるでしょう。ご自身が存在を知っている財産だけを調べていると、存在を知らない遺産に気付くことはできません。ひょっとして、故人が誰にも存在を明らかにしていない土地や株式などがあるかもしれません。気付けないでいると、その財産は眠ったままになってしまいます。行政書士は、登記簿などを調べ、故人の全ての財産をリサーチ。だから行政書士が頼りになるのです。

ところで相続財産とは、被相続人の死亡(相続開始)時に、被相続人が所有していた財産のみならず、被相続人に属していた一切の権利・義務です。たとえば権利では借地権や特許権、著作権など。義務では借金などが該当します。ただし、被相続人その人だけに与えられた権利・義務・資格などは除かれます。たとえば行政書士などの資格は、相続財産とはなりません。

プラスの相続財産

・現物(現金、預貯金、不動産、株式、書画骨董、貴金属など)
・各種の権利(貸付金、損害賠償請求の権利、借地権、特許権、著作権など)

マイナスの相続財産

・各種の負債(借金、ローン、損害賠償の支払い義務など)

そもそも相続財産でないもの

・お墓、仏壇、位牌(以上、祭祀財産)、故人の日記や愛用品など
相続財産の経済的価値を評価し、財産目録を作る
現金、預貯金、自動車、土地や建物といった不動産……。相続財産は、さまざまです。相続遺産を洗い出したら、便宜上、すべての遺産を経済的価値、つまりお金に換算してみましょう。

現金なら、その価値は一目瞭然ですが、不動産や株式はどう評価したらいいのでしょうか。残された土地が、たとえば再開発の予定地であれば高く評価されるでしょうし、不便な場所なら評価は低いでしょう。評価方法は、いろいろあります。たとえば土地には、(1)信頼のおける不動産業者に聞いてみる、(2)不動産鑑定士に評価を依頼する、(3)地価公示価格から算定する、(4)固定資産税の課税標準価額をもとに算定する、(5)税務署の路線価から計算してみる、などの方法があります。中小企業を経営されていた被相続人もいらっしゃると思います。非上場企業の株価は、類似業種比準方式、純資産価額方式などで算出します。しかし、これらの評価・計算は、非常に難解であり専門家に計算を依頼するのが賢明です。

こうして算出した財産名とその評価額を一覧にしたものを「相続財産目録」といいます。これを見れば、トータルで遺産がプラスかマイナスかが分かります。遺産を分ける話し合いの資料にもなりますし、おおよその相続税の額をあらかじめ計算できるので、相続税の納税にも備えられるでしょう。

生命保険の考え方

生命保険は、受取人が誰かによって扱いが異なる。
・被相続人が保険料を負担し、受取人が指定されている場合
受取人だけの固有財産となり、相続遺産とはならない。よって、遺産分割協議の対象となって分割されることもない。ただし、生前贈与と同じ「特別受益」と見なされるので、権利はあったとしても行使せず、遺産分割では譲歩したい。
・被相続人が保険料を負担し、単に「相続人」とだけ指定していた場合
相続財産ではないが、相続者全員が保険金を受け取ることになる。よって遺産分割協議で分割方法を話し合うことになる。
・被相続人が保険料を負担し、本人を受取人に指定していた場合
保険金は、一時的にではあるが被相続人に帰属する。つまり故人の財産なので、遺産となり、遺産分割協議の対象となる。
単純承認
「単純承認」とは、プラスの遺産もマイナスの遺産もすべて相続すること。しかし、現実問題として、「被相続者がどんな遺産を残したのか分からない。評価が難しい」といった場合があるでしょう。しかし、何も申請をしないでいると、相続人が単純承認したと見なされます。よくよく調べてみたら、「マイナスの遺産が多かった」ということになると、大変です。ですので、財産の評価に少しでも難しさを感じたら、専門家に相談するようにしたいものです。

また、遺産を調べた結果、マイナスの遺産が多かった場合はどうすればいいのでしょうか? 故人の借金も背負わなければならないのでしょうか。プラスの財産だけ受け取り、マイナスの財産は放棄するという都合のいい対応はできません。では、マイナスの財産と分かっていながら相続しなければならないのでしょうか?
いいえ、そんなことはありません。この場合、「相続放棄」「限定承認」という方法があります。相続放棄は、プラスの遺産もマイナスの遺産も放棄してしまうこと。限定承認とは、「被相続人に借金があるのだが、その総額がハッキリしない」といった場合に、相続を受ける財産の範囲内でのみ債務の返済義務を負うというもの。被相続人の負債に対し、自分の財産を持ち出してまで弁済する必要はありません。
相続放棄、限定承認の申請は、どちらも自分が相続人だと知った日から3カ月以内に管轄の家庭裁判所に各種書類を提出することになります。申請しなければ、単純承認したことになります。