誰もが、「死」から免れることができません。
どんなにお金持ちでも、死後の世界まで財産を持っていくことは不可能です。
遺言とは、生前に築き上げた自分の財産について、
自分の死後の所有権など法的な関係を言い残しておくこと。
長い人生ですから、大なり小なり築き上げた財産はあるでしょう。
そうした財産の処分方法を言い残しておくことなのです。

企業経営者の場合、非公開企業であれば、
ほとんどの株は自分が持っているでしょう。
この自社株をはじめ、店舗や工場、機械設備という財産があります。
これを、どう継がせるか。遺言は、事業継承がうまくいくかを左右する重大問題です。

また、会社勤めだった方も、コツコツ貯めた預貯金や保険、
マイホーム、マイカーなどがあるでしょう。
教育資金に貯蓄に励んだが使わずに済み、ヘソクリにした。そんな財産があるかもしれません。

遺言を書くことで、自分の思い通りに遺産相続させることができます。
遺言がなければ、自分の死後、遺産の分割でもめごとが生じないとも限りません。
「家族のために」と築き上げた資産が、逆に家族の争いの元になってしまうのです。
財産の多い、少ないは関係ありません。
たとえ少ない財産でも、遺言があると家族のいさかいを回避できます。
だからこそ遺言書を残しておくことが大切なのです。